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2012年10月

2012年10月31日 (水)

『#連歌デモ』第二巻についての告知

告知です。Renka2hyosi_a4

『#連歌デモ』第二巻がもうすぐ出来上がります!!  第一回発送分のご注文は、本日中にkiyoe51803291@kib.biglobe.ne.jp迄、「#連歌デモ歌集希望」のタイトルで、冊数と送り先を明記し、お申し込み下さい。ご連絡下さい。B6判変型、114ペーシ(変更あり)、 800円(送料込み)となっています。

なお作業にやや遅れが生じており、連休もあるので、仕上がりは8日辺り、お届けは10日過ぎになります。ご了解下さい。 

(※第一巻も残部あります。http://reliance.blog.eonet.jp/default/2012/08/post-1e51.html を御覧下さい。)

2012年10月24日 (水)

10月16日付京都新聞朝刊・詩歌の本棚/新刊評

 八月下旬、中国・延辺朝鮮族自治州にある明東(ミョンドン)村を訪れた。同村は詩人尹東柱(ユン・ドンヂュ)の故郷。一九一七年生まれの東柱は、大学へ進むために日本へ渡航したが、四三年京都でハングルで綴った詩を証拠物件として逮捕され、四五年解放直前に福岡で獄死した。同志社大学と京都造形芸術大学には詩「序詩」が刻まれた詩碑が立つ。「死ぬ日まで空を仰ぎ/一点の恥辱(はじ)なきことを、/葉あいにそよぐ風にも/わたしは心痛んだ。」(伊吹郷訳、部分)彼の詩にある「空」や「風」や「星」等は、歴史の暴力による苦痛と流浪の悲しみのメタファーだが、いまだそれらが多くの人の心を打つのは、その底に「原風景」がいきづいているからだ。今回の旅ではその風景を確かに見た。壺中天のように美しく素朴な村、秋桜の揺れる田舎道、澄んだ虫の音、丘を慈しみ触れるかのような天の青。東柱の詩の世界そのものを体験した。
 清岳こう『春 みちのく』(思潮社)は、震災直後に書かれた前作『マグニチュード9•0』に続く「震災詩集」。悲劇の記憶がどこか風化しつつある今、被災地では人の心の中で傷はむしろ拡がりだしている。意識無意識に震災の「原風景」は生々しく実在し、ふとした刺激で蘇るのだ。教師でもある作者は日々子供たちを見つめながら、一人一人の内部に拡がる「原風景」に立ち会おうとする。その風景を想像によって描き出すのでなく、いまだ癒えない心のありかとして、そこにただ寄り添っていく。
「大丈夫か? 生きているぞ!/ヘリコプター 救急車 看護師が次々に押しよせ/何日間もあきらめず さすがだと言われ/フラッシュ! フラッシュ! フラッシュ!/今の気持ちは?今の気持ちは?が次々押しよせ/よくがんばったと言われ 英雄的だと言われ//海辺をぶらぶらした 生まれたてのかまきりを見つけた/誰にも会いたくなかった 雪虫が飛びはじめた/ラケットも振れずボールも追えない 花あぶが耳元をかすめた/体のふるえは止まらない 爪先は凍ったままで//とりあえず/校門から教室までは歩ける」(「復学」部分)
 笹田満由『凱歌』(書肆山田)は、見開きに収まる短詩を集めた「掌篇詩集」。どの詩も寡黙だが、不思議なことにここにも、頁の余白から立ち上がってくる豊かな「原風景」が存在する。それは詩の言葉が主のない祈りとして響く不可視の聖堂の内部でもあり、今はそこにいない作者が、生き難い世界から逃れ来て、火を灯すように発語した闇の胎内でもある。
「暖炉の火も/もうじき消え/今日がまたこうして終わる//火は揺らめく/消えまいとして//…みんな、みんな差し上げます/もし//明日がすべて/救われるというのならば」(「浄火」全文)「炎が/肉を舐め尽くし/われらを//透き通らせるとき/いつも決まって/ここから//神が/泣きながら/誕生する」(「雨」全文)「マッチの火に/飛び込んだ少女を/雪はやさしく包んだ//自然は美しい/だから朝になると/澄んだ瞳は//弧を描きながら/他人の空を/流れた」(「蒼穹」全文)
 尾崎まこと『断崖、あるいは岬、そして地層』(竹林館)は生きることの根源にある「原風景」を、模索しつつうたう。
「虚空に差し出された美しい断崖/あるいは一つの岬であるとも考えられるあなたの膝/その上に添えられた手にこの手を重ねると/間を伝わる熱によって/私たちもまた/降り注ぐ時間の地層であることが/知らされるのだ」(表題作全文)

2012年10月23日 (火)

#連歌デモ 3601~3650

3601木槿と桜我の大切なふたつの国の花 この花とこしえに平和な地に咲き誇らんこと願う 試練与えられし乱れた時だからこそ切に思わん今

3602地球の常識原発止めろ何度も言わすな狂気よ鎮まれ目覚めよ命よ

3603他人の言葉借りて語らず自分の命語り給へあなたの命はあなたのみ知るそれ故に

3604政府に自治体内部被曝を幇助する愚かな国が何処にある国民は国の宝ぞ

3605もはや民邪魔者なりと思ふらし政府に自治体被曝を勧む(3604へ返歌)

3606自国の民が苦しむを見るが楽しか悪代官一向一揆始まる世(3605へ返歌)

3607封建の世が良かったと言わせるな一揆起こるは主の不始末改易ぞ(3606へ返歌)

3608ごめんねそれしか言えぬ私にどうして泣くのと訝る幼き君をぎゅっとだきしめる 今はそうしたいの 君を守れるように

3609権利主張鬩ぎ合わねば独り勝ち政治の世界思いやり譲り合うには程遠し

3610DNAを壊す放射能花鳥草木奇形にし宇宙のリズムを狂わせ歪める

3611この国に生まれしことを悔やむなど誰が心底望むといふか(おい政治家よ…)

3612狭き島繊細なりし大和民族営む文化の麗しき愛し誇らん(3611へ返歌)

3613便利さを求めるあまり 作りし不自由ゆき過ぎたるは及ばざる如 (3471「物数多余れる世に生き子どもらの 糧を探す原始に還れり」へ返歌)

3614生きるとは簡単なことなるを 便利を求めて難しくする/ドア押さえ後のひとを気遣うを 優しさのリレーと我思うなり(3613へ返歌)

3615希(こひねが)ふ遅きに失せし感あれどなほこの国を好きだと言はせよ(おい政治家よ…)

3616生まれくるいのちのゆめにあまちくるあいのしらせにせかいひびきて/老いのゆめたおやかなりしときをもちあいをはなちてゆめみちびいて/病してわたしのありかあいおもいきせつのあめにおもいかんじて/死にゆくとおもいははるかゆめさきのあいのふるさとおもいかえりて

3617狂った世界渦に揉まれピエロの面を被りて踊る道化の悲哀

3618栗の実を無邪気に見る目が愛しい 君にきらきらと輝く明るい希望があること願わん今日

3619醜悪な原発の残骸弔いもせず勇み足にて踏み荒らす国土

3620ママはんぶんこといって 半分にしたクッキーくれる君 大人になっても覚えていてね人を幸せにする魔法だから

3621魔法の鏡覗き込み答えを問えば世界で一番愚か者原発を作りし輩と

3622調和と平和の意味知らぬ者が障子の穴に覗く未来は阿鼻叫喚

3623忘れ難き過去の栄光繁栄を語る法師に耳は無かれり

3624過去の亡霊立ち上がるごとき総裁選満身創痍のこの国にして(3623「忘れ難き」へ返歌)

3625あべしのべまちがえやすきひとに告ぐ不安倍増の倍の字と知れ(3624「過去の亡霊」へ返歌)

3626みせかけの繁栄に踊らされし宴のあといぢめ過労死環境破壊(3623「忘れ難き」へ返歌)

3627言葉のレーザー患部を焼きて病巣を崩し健常細胞露わにさせるか

3628我正義とは言わねども狂いし世界狂いたりと知る正気は持てり

3629めげず怯まず弛まず進む風を怖れぬ鳥の様に飛ぶ

3630清らなる秋の空気に混じりたる放射性物質科学は防げず

3631涼風の凛と張りたる空気の中に血清の無い毒蛇住まいて(3630「清らなる」へ返歌)

3632赤き薔薇の棘指に刺しゆるり流れる血潮見つめる我が庭で(3631「涼風の」へ返歌)

3633胸にある熱き血潮の行きどころ何に求める薔薇の問いけむ(3632「赤き薔薇」へ返歌)

3634胸奥の心音響くその中心日々 翳め行く胸騒ぎ滾る血潮は未来を告げ(3633「胸にある熱き」へ返歌)

3635未来をば紅葉の手のひら握りしめ 笑う子らの為に抗う(3634「胸奥の心音」へ返歌)

3636親鳥の疾風の如くに子を守る情の深きに手遅れは無し(3635「未来をば」へ返歌)

3637親鳥は卵を守りて身は細る見習いたまえ政治家諸君(3636「親鳥の疾風」へ返歌)

3638虫すだく五坪の庭をつつみ込む秋冷にすら怯む昨今(3630「清らなる」へ返歌)

3639花溢る花屋の店先迂回して 何に怯えるひとに怯える/ 無関係無関心でいられるは 我のみぞ思う秋の淋しき(3638「虫すだく」へ返歌)

3640己れらに都合の悪い情報を隠す伝えず改竄してゆく

3641母親の子どもを見る目の確かさを嘲るひとに母はいないか

3642薄白き靄広がりたる青空の遥か向こうには核の廃墟が

3643戦争の経験ありし党員も声上げられずネットサポーターの荒ぶる怒号に(注:自民党総裁選)

3644フクシマの核戦争や旭日の深き野望や凶々しき世(注:ますます暗さを増してきたような今日この頃…)

3645死の灰にまみれる怒り奈落へと堕ちる悲しみ汚れてもなほ

3646携えたことばはここで放たれていつかのあしたを照らして光る(3433「詠み人は手を携えて歩みゆく一人では無く無力でも無く」に返歌) 

3647あどけない少女の瞳何を見つめ待たんや ただひとこと詫びる言葉も見つからず

3648途方にくれん我に優しく微笑み囁くなり 歴史を忘れるなかれ悲劇は今もどこかであらんと(注:韓国の従軍慰安婦の像をみて)

3649これやこの往くも還るも笑みうかべ秘める涙は地の露となし(#脱原発 併せて川口発の復興支援ボランティアプロジェクト、笑顔*(^o^)*届け隊!によせて)

3650昔なら紅旗知らぬで強がれど今は斃れる原発知らねば(注:「紅旗征戎我が事に非ず」(明月記。「紅旗」は天皇を奉じる平家の旗の意。)

現代詩手帖10月号に「天の青の記憶とともに降りてきた問いかけ──詩人尹東柱の故郷 中国・延辺朝鮮族自治州をめぐって」を書いています。

本ブログでもすでに記事を書きましたが、8月20日から27日までの中国吉林省・延辺朝鮮Gendai_3 族自治州の旅についての報告です。

ユンドンジュの墓の前で朗読した時感銘を覚えた、詩人の故郷の美しい「天の青」を思い出しながら書きました。

発行されて少し時間が経ってしまいましたが、まだ店頭にあるはずなので、ぜひ手に取っていただければと思います。
                                
「…その明東村を訪れた。時を超えた壺中天のように美しく素朴な村だった。恐らく幼年の詩人が駆けていた頃と変わらないだろう未舗装の秋桜の揺れる田舎道。どこからか鶏の声も聞こえ、草むらからは澄んだ虫の音が夢のように軽やかに聞こえた。詩人の墓地はそこから車で少し登った丘の上にあった。丘では空がとても間近だった。天の青が丘を慈しみ触れるかのようにすぐ近くに感じられた。」

2012年10月20日 (土)

【朗読会のお知らせ】西宮船坂ビエンナーレ・ピアノと朗読のひと時

【朗読会のお知らせ】

来週の土曜です。ぜひいらして下さい

西宮船坂ビエンナーレ・ピアノと朗読のひと時

【日時】10/27(土)15:00~16:00

【場所】音楽室

【朗読者】河津聖恵(詩人)、岡村智昭(俳人)、坂石佳音(俳人)、北夙川不可止(歌人)、柳下美恵(ピアノ伴奏)

【参加費】千円

http://funasaka-art.com/events/

2012年10月18日 (木)

【告知】『#連歌デモ』第二巻刊行のお知らせ

 『#連歌デモ』第一巻を刊行してから二ヶ月近くになろうとしています。第一巻は多くの方々からご感想を頂き、ありがたく思っています。
 お陰様で『#連歌デモ』第二巻10月31日に刊行の運びとなりました。
今巻には第一巻後の、7月26日から8月24日までの投稿作品を収録しています。また、この間に起こった出来事と照らし合わせて鑑賞しても頂けるよう、巻末に上記期間の「年表」を付けました。
 とりわけ8月6日と9日の広島・長崎原爆記念日の、無数の死者生者と詠い合わせた歌々は、ぜひ読んで頂きたいと思います。
 1部800円(送料込み)です。ご希望の方はkiyoe51803291@kib.biglobe.ne.jpまでお早めにお申し込み下さい。
※なお第一巻も残部あります。

# 連歌デモ3601~3653

注:本記事と歌集で作品番号は必ずしも対応しません(編集の都合上変動ないし不採用もありえます)。

3601木槿と桜我の大切なふたつの国の花 この花とこしえに平和な地に咲き誇らんこと願う 試練与えられし乱れた時だからこそ切に思わん今

3602地球の常識原発止めろ何度も言わすな狂気よ鎮まれ目覚めよ命よ

3603他人の言葉借りて語らず自分の命語り給へあなたの命はあなたのみ知るそれ故に

3604政府に自治体内部被曝を幇助する愚かな国が何処にある国民は国の宝ぞ

3605もはや民邪魔者なりと思ふらし政府に自治体被曝を勧む(3604へ返歌)

3606自国の民が苦しむを見るが楽しか悪代官一向一揆始まる世(3605へ返歌)

3607封建の世が良かったと言わせるな一揆起こるは主の不始末改易ぞ(3606へ返歌)

3608ごめんねそれしか言えぬ私にどうして泣くのと訝る幼き君をぎゅっとだきしめる 今はそうしたいの 君を守れるように.

3609権利主張鬩ぎ合わねば独り勝ち政治の世界思いやり譲り合うには程遠し

3610DNAを壊す放射能花鳥草木奇形にし宇宙のリズムを狂わせ歪める

3611この国に生まれしことを悔やむなど誰が心底望むといふか(おい政治家よ…)

3612狭き島繊細なりし大和民族 営む文化の麗しき愛し誇らん(3611へ返歌)

3613便利さを求めるあまり作りし不自由ゆき過ぎたるは及ばざる如(3471「物数多余れる世に生き」に返歌)

3614生きるとは簡単なことなるを 便利を求めて難しくする/ドア押さえ後のひとを気遣うを 優しさのリレーと我思うなり(3613へ返歌)

3615栗の実を無邪気に見る目が愛しい 君にきらきらと輝く明るい希望があること願わん今日

3616醜悪な原発の残骸弔いもせず勇み足にて踏み荒らす国土

3617ママはんぶんこといって 半分にしたクッキーくれる君 大人になっても覚えていてね人を幸せにする魔法だから

3618魔法の鏡覗き込み答えを問えば世界で一番愚か者原発を作りし輩と

3619調和と平和の意味知らぬ者が障子の穴に覗く未来は阿鼻叫喚

3620忘れ難き過去の栄光繁栄を語る法師に耳は無かれり

3621過去の亡霊立ち上がるごとき総裁選満身創痍のこの国にして(3620へ返歌)

3622あべしのべまちがえやすきひとに告ぐ不安倍増の倍の字と知れ(3621へ返歌)
3623みせかけの繁栄に踊らされし宴のあといぢめ過労死環境破壊(3620「忘れ難き」へ返歌)

3624言葉のレーザー患部を焼きて病巣を崩し健常細胞露わにさせるか

3625我正義とは言わねども狂いし世界狂いたりと知る正気は持てり

3626めげず怯まず弛まず進む風を怖れぬ鳥の様に飛ぶ

3627清らなる秋の空気に混じりたる放射性物質科学は防げず

3628涼風の凛と張りたる空気の中に血清の無い毒蛇住まいて(3627へ返歌)

3629赤き薔薇の棘指に刺しゆるり流れる血潮見つめる我が庭で(3628へ返歌)

3630胸にある熱き血潮の行きどころ何に求める薔薇の問いけむ(3629へ返歌)

3631胸奥の心音響くその中心日々 翳め行く胸騒ぎ滾る血潮は未来を告げ(3630へ返歌)

3632未来をば紅葉の手のひら握りしめ 笑う子らの為に抗う(3631へ返歌)

3633親鳥の疾風の如くに子を守る 情の深きに手遅れは無し(3632へ返歌)

3634親鳥は卵を守りて身は細る 見習いたまえ政治家諸君(3633へ返歌)

3635虫すだく五坪の庭をつつみ込む秋冷にすら怯む昨今(3627「清らなる」へ返歌)

3636花溢る花屋の店先迂回して 何に怯えるひとに怯える/ 無関係無関心でいられるは 我のみぞ思う秋の淋しき(3635へ返歌)

3637己れらに都合の悪い情報を隠す伝えず改竄してゆく

3638母親の子どもを見る目の確かさを嘲るひとに母はいないか

3639薄白き靄広がりたる青空の遥か向こうには核の廃墟が

3640戦争の経験ありし党員も声上げられずネットサポーターの荒ぶる怒号に(注:自民党総裁選)

3641フクシマの核戦争や旭日の深き野望や凶々しき世(注:ますます暗さを増してきたような今日この頃…)

3642死の灰にまみれる怒り奈落へと堕ちる悲しみ汚れてもなほ

3643携えたことばはここで放たれていつかのあしたを照らして光る(3433「詠み人は手を携えて歩みゆく一人では無く無力でも無く」に返歌) 

3644あどけない 少女の瞳何を見つめ待たんや ただひとこと詫びる言葉も見つからず途方にくれん我に優しく微笑み囁くなり 歴史を忘れるなかれ悲劇は今もどこかであらんと (注:韓国の従軍慰安婦の像をみて)

3645これやこの往くも還るも笑みうかべ秘める涙は地の露となし(#脱原発 併せて川口発の復興支援ボランティアプロジェクト、笑顔*(^o^)*届け隊!によせて)

3646昔なら紅旗知らぬで強がれど今は斃れる原発知らねば(注:「紅旗征戎我が事に非ず」)

明月記)。「紅旗」は天皇を奉じる平家の旗の意。)

3647見せかけの繁栄なれどもその中にひとは労り優しく生きむ

3648子供らの命こそ守れ未来への宝失い復興はありや(注:福島集団疎開裁判の勝利を祈念して)

3649背中押すきっかけ欲しいひともいる子どもを思うこころは同じ(3648へ返歌)

3650子どもらの健やかな成長ありてこそ繁栄築かれん 未来の宝痛めつけるは一生の禍根なり /までいに生きよ子らのため 何よりもいのちが宝 形ばかりの復興ほど愚かなものありやなしや(3648へ返歌) 

3651希(こひねが)ふ遅きに失せし感あれどなほこの国を好きだと言はせよ(おい政治家よ…)

3652生まれくるいのちのゆめにあまちくるあいのしらせにせかいひびきて/老いのゆめたおやかなりしときをもちあいをはなちてゆめみちびいて/病してわたしのありかあいおもいきせつのあめにおもいかんじて/死にゆくとおもいははるかゆめさきのあいのふるさとおもいかえりて

3653狂った世界渦に揉まれピエロの面を被りて踊る道化の悲哀

2012年10月17日 (水)

#連歌デモ3555~3600

3555今宵風なし。汚染地の庭の虫の音ここに留まりて病み合い

3556米の倉実りを民へ分けずんば五穀豊穣誰ぞ微笑む(注:実りの秋と火曜に行われたデモの抗議先の会長名をかけてみました。)

3557下野しても反省ひとつしないまま美しい国不安倍増 

3558幸せ芝居はもう止そう 我らは所詮大根役者 無骨に臨めし小出氏が スイシンジャーを倒せし如く 舞台に立つならありのまま 心のままに生きようじゃないか (参考動画:『スイシンジャー 異形編』http://t.co/OLbe63pH

3559目覚めれば新しき朝に共鳴すうたは響くよそこにかしこに(3432「新しき人と歌とに出会う夜言葉の力取り戻す秋」へ)

3560ひさかたの光を浴びたる今われは総裁という立場なりたる/いかにしてこの国のいく進路をや如何にならむと思しき君か (注:自民党総裁選の日に)  

3561空気触れ眠るワインは蘇り深く息吸い伸びをして/俯きて肚に貯めたるその言葉宙に放ちて空気に曝せよ/光をば言葉に当てよ魂揺らせ化学反応豹変遂げるか/活性化粒子が弾け飛び回り言葉の核に電子が廻りて/広辞苑辞書を捲れば出番待つ言葉が作る長き行列/生きている言霊操る呪師陰陽師か.

3562太平の眠りを覚ますTPP・ISD条項で夜も眠れず(注:芸がなさすぎた…)

3563いざゆかん約束の地へふくしまの子等をみちびけモーゼの杖よ(注:福島の子供たちの疎開を旧約聖書の出エジプトになぞらえた歌。)

3564楽園を夢見てかじりし禁断の果実その名は原子力発電

3565従軍慰安婦(ハルモニ)の無念の思ひ晴らしたし日本・韓国こころあはせて

3566公害の汚名返上のエコ都市が汚名返上の返上するとは/公害を構わぬと言うは誰なのか苦しみ悩むは誰々なのか(3449「炭鉱の労働者たちが苦しみぬ塵肺といふ苦しきやまひ」へ返歌)

3567公害の歴史に深く刻まれる福島原発放射能拡散/またしても繰り返されゆく公害の刑事罰遠く民は疲弊す(「公害の汚名」へ返歌)

3568莫大な金貰えるからって狂ってる無数の市民巻き添えにして / その毒は孫の代まで消えぬ毒未来永劫消えぬ毒かも(「公害の歴史」へ返歌)

3569人間の背負いたりし業なるを 劫とふ時間にまた委ねける(「莫大な」へ返歌)

3570人ごときに 背負えぬ業よ 原子力 背負う覚悟も 無き者らの罪(「人間の背負いたりし」へ返歌)

3571今まさに目の当たりにした原発事故 名も無き庶民の我らが止める(「人ごときに」へ返歌)
3572(「今まさに目の当たりにした」に返歌)雑草の千切ってもはや繁るごと我ら民草きゃつらを駆逐せん

3573日の暮れて家族揃ひて団居(まどい)するかくなる暮らしきょうぞ潰(つい)えぬ

3574「日本を取り戻す」という自民党取り戻したいのは権力じゃない?.

3575長(おさ)たちよいくさするのはかまはぬが我ら民草巻き込むなかれ

3576せめて民草を巻き込むなかれ民草は平和を願いささやかな幸せを喜ばん/あまたのひと 亡くなりしいくさにいまだ心の傷癒えぬ人ありどうかこの悲しみを繰り返すことなかれ(「長たちよ」へ返歌)

3577永久に戦争はせぬと誓いてし憲法九条輝いてあれ/あまたひと亡くなりたりぬ大戦の悲しみ未だ消えず漂ふ(「せめて」へ返歌)

3578私には隠れるところありません震える声が私に刺さる

3579頭たれ泣きながら子どもを避難させてくださいと頼みし母の悲痛な声 我の心に刺となり今も突き刺さりし(「私には」へ返歌)  

3580誰か弱者に手を差し伸べよ金持ちだけが札幌にマンション買と噂流れて(私にはへ返歌)

3581コットで眠りし嬰児(みどりご)の柔らかな頬を触らん すやすやと眠りし姿に明日も健やかにと願わざらんや

3582放射能弔いしにも続けしやいのちの夢を忘れやしもや/いのちには還るふるさと思いしやうつつに映える想い返らず/与えれば必ず返る法知らず我だけ利することあらずしや/天蓋の通りし愛を汚すれば清掃ありし愛を透して

3583核実験の狂気繰り返さるる中産まれ落ちし我は奇妙な果実?/柑橘類の名もありしかな南の海に永遠に毒焼き入れし爆弾/思い出す砂場の砂の煌き未来の残骸の如き色光
3584雪片の地に積もりゆく黙々と崩れし未来の灰の如くに(の「思い出す砂場の砂の…」へ返歌)

3585人間を内側から焼く爆弾に愛称つけて愛でる凶気よ(の「柑橘類の名もありしかな…」へ返歌)

3586身体に巣食い決して消えない魔の炎皮膚の下骨の下より火を噴く兵器(へ返歌)
3587認識を!!原発からはセシウムが毎時放出一千万bq (注:事故から一年半が過ぎ、いまだに福島第一原発からは毎時一千万ベクレルの放射性セシウムが放出されています。一日換算2億4千万ベクレル。24日東電の報告。)

3588いつまでも見守ってほしい浪江・双葉の町が作りし健康手帳(「Please follow an irradiated children. Namie&Futaba-machi delivery a pocketbook for a inhabitants! 」)

3589行く手を阻む黒き雲祓いて今日も進まんと晴れやかなりし青空夢見て

3590詠む人よ同じ句作るを怖れるなかれ空の白き雲太古より続く無限の即興/創意工夫を加えれば同じ主張も無限の変奏数多産み出し

3591騒乱罪反抗分子を弾圧す騒乱の種を作るは権力者共

3592子供はみんな原発反対大人になれば核推進一体何が変わるのか

3593デモ行進無理に足並み揃えずとも思い思いのプラカード掲げ/それぞれの異なる暮らし詠い読み気ずけば一つの織物となり

3594病持ち日頃動けぬ日々なれど今日はよさげにデモに歩まん(3593へ返歌)

3595病健やか老いも若きも魂の震えは変わらず一つになりて(3594へ返歌)

3596足並みを揃えずとも思いはひとつなりて個々様々な味ある歌を詠まんかな/縦と横の糸が織り成す綾織りの如く歌もまた互いの思いが糸になりて歌にならんぞや

3597天空に月は満ちたり下界を見れば日本の悲惨に兎も涙し/鶴の恩白羽根抜きて機を織る情の綾織り純情の白雪(3596の「縦と横の糸が…」へ返歌)

3598いざ行かむ為にこそ体調つくらむと今はしばしの薬石休養/今日もまたデモのテーマを 思いつつ曲を選びて響け笛の音(3595へ返歌)

3599不揃いのリンゴのままでデモ行進いびつににデコボコえじゃないか

3600不揃いだからこそ味があるなりいびつだからこそデモも互いに手をとらむや(3599へ返歌)

2012年10月16日 (火)

10月13日討論会「安世鴻慰安婦写真展はなぜニコンサロンで開かれなかったのか」

10月13日に大阪市立中央会館で行われた An
討論会「安世鴻慰安婦写真展はなぜニコンサロンで開かれなかったのか」は
とても心を揺さぶられるものでした。

トークの参加者は、
安世鴻(アンセホン)さん、大阪大学の北原恵さん、映画監督の原一男さん。

このニコンサロン事件の詳細については下記の本をぜひお読み下さい。
http://www.amazon.co.jp/%E6%A4%9C%E8%A8%BC%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%B3%E6%85%B0%E5%AE%89%E5%A9%A6%E5%86%99%E7%9C%9F%E5%B1%95%E4%B8%AD%E6%AD%A2%E4%BA%8B%E4%BB%B6-vita-%E6%96%B0%E8%97%A4-%E5%81%A5%E4%B8%80/dp/4782533470/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1350309782&sr=1-1

写真展で見た写真は、
私は安さんが女性だと勘違いしてしまったほど繊細でしたが、An2
実際の安さんは男性で、
しかも存在深くに怒りを抱え込んでいるように見えました。
それはこの一連の事件の経緯によって
ハルモニたちの尊厳が再び傷つけられたことへの怒りでしょう。
ニコンから突然理由もなく中止を言い渡された
安さんの怒りはまったく当然です。

会場にいながらも私もとても恥ずかしくなりました。
安さんが「イルボン」(韓国語の「日本」)と繰り返すたび
日本という国の、もう一つの異形の影が
さっとひらめき過ぎるようで身がすくみました。

安さんは2001年に中国でハルモニを見つけてから
彼女達の心が開くまで通いつめました。
表現にも修正に修正を重ねて
彼女たちの存在を世界に知らしめるために撮影したのです。
その真摯さに圧倒されました。

「慰安婦」たちは
言葉を捨てさせられ名前まで変えられ、
敗戦と同時に中国の辺地に見捨てられた結果、
貧苦と屈辱と孤絶の生涯を送ってきました。
今は身分証さえ不要な程見捨てられた環境にいる人もいます。
多くの人が亡くなり、残された人も病で苦しんでいます。

その果てしない孤独の内奥から彼女たちのまなざしが
安さんを捉え、無限の責務を負わせたのです。

彼女たちの苦痛に苛まれる目を見るのがとても辛かった、と安さんは言います。
安さんは写真の構図を故意に不安定にさせていますが、
それは見る者に揺さぶりをかけ、
写真の世界が見る者自身と地続きであると感じて貰うためだそうです。
印刷紙も、ハルモニたちの歴史に相応しいように
その尊厳のために韓紙を選んでいます。

つまり、安さんのすぐれた仕事は
無限の責務に押されたものであり
そのすぐれた写真は
ハルモニ達を単なる表象にさせまいという強い意志の産物なのです。

トークの参加者の一人、表象文化論の北原めぐみさんによれば、
戦時中から戦後にかけての
慰安所体験もある日本の男性画家達によって描かれた慰安婦画は
「敗戦によって傷ついた男性が自己の主体の回復をするための表象」だったと考えられるそうです。

このトークの間様々な思いが私の胸によぎりました。
そして自分にとって「慰安婦」問題とは何かが次第に見えてきた気がします。
以下は、トークの内容によって触発されて生まれた
私自身の考えです。

私はこう考えます。
今回のニコン事件が暴露したのは
私達の主体がもはやメドゥーサのような化け物に化している、という事態ではないでしょうか。
比喩的な言い方ですが、
今や私達は自分がまなざすものをことごとく石にしてしまうことで
自分という主体をかろうじてを保ちえているのではないでしょうか。
つまり他者にまなざされることをまるで生命の危機のように恐れているのです。
かつて「まなざしの地獄」という言葉がありましたが、
むしろ今は「まなざしを忌避し拒否する砂漠」ではないでしょうか。
それは主体と他者の関係一般においてだけでなく
とりわけ「慰安婦」に対するこの国の態度によって象徴される事態なのです。
一市長がハルモニから逃げ回り
結局は会うことを避けた、というのもまた
まなざされることへの恐怖があったのではないでしょうか。

ハルモニたちのまなざしは
同じ民族である安さんには無限の責務を負わせました。
しかしこの国の私達に対しては無限の告発をするものでしょう。

けれど私達はこのまま避け切ることはできるでしょうか。
避ければ避けるほど
私達が石化できない死者たちのまなざしに取り巻かれていくのではないでしょうか。
ハルモニたちは亡くなっても写真からあの世から、そして何よりも私たちの心の奥から見つめるのだから。

たとえ遙かな過去であれ、今自分が生きる国家が
その尊厳を剥奪し置き去りにしたという他者の最期の訴えを無視してはいけない。
戦前戦時とまなざしを変えることができなかった国に生きるならば、
誰しもがハルモニ達にまなざされる無限の責任があるのです。

2012年10月12日 (金)

安世鴻日本軍「慰安婦」写真展に行きました

昨日10月11日、
大阪・心斎橋のビルゼンギャラリーで行われている Juj
重重Projectによる安世鴻日本軍「慰安婦」写真展に行きました。
「慰安婦」の写真展は初めてです。

41才の写真家のまなざしは
ハルモニ達の深い皺を刻まれた、
歴史の証言としての一瞬の表情を絶妙に捉えていました。

真実とは何か。
写真家はその問いかけに表層的な答えを出すのではなく
問いかけ自体をより深めていました。
真実とは、どのような次元にあり、どのような感受性にあるのか──
対象にあるのか、それともそれをまなざす主体にあるのか、あるいはそのあわいのどこかにか──

キャブションには、生年、動員年齢、地点、日本名、だけが記されています。
そこから私たちの想像に拡がるだすべき
雪原のような孤絶の人生がたしかにあります。
みえないものとしてずっとそこに。

忌まわしい記憶が彼女達に目を伏せさせ、背を向けさせ、
鏡の中で他者と眼差しを交わさせています。
いまだ行方不明の少女達が、そこにいます。

ハッと気づきました。
彼女達の尊厳は、私自身の尊厳でもあるのだ、と。
被写体の心の奥に抑え込まれた声々と
沈黙するモノクロの粒子の痛苦に
いつしか共鳴の通路が拓かれていきました。
真実に向きあう多くの人に見てほしい写真展です。
(明日は別会場でトークがあります。詳しくは下記のブログの紹介記事を御覧下さい。http://reliance.blog.eonet.jp/default/2012/10/post-6a61.html

写真展とは直接関係ありませんが、
私は次の詩に出てくる「順伊」という少女がずっと気になっていました。
この少女はみずからいなくなったのか。
それとも歴史に連れ去られたのでしょうか。

雪降る地図   1941.3.12
                   尹東柱

順伊(スニ)が去るという朝 せつない心でぼたん雪が舞い、悲しみのように 窓の外はるか広がる地図の上をおおう。部屋を見廻しても誰もいない。壁と天井が真っ白い。部屋の中まで雪が降るのか。ほんとうにおまえは失われた歴史のように飄然(ふらり)と去ってゆくのか、別れるまえに言っておくことがあったと便りに書いても おまえの行先を知らず どの街、どの村、どの屋根の下、おまえはおれの心にだけ残っているのか、おまえの小さな足跡(あしあと)に 雪がしきりと降り積もり後を追うすべもない。雪が解けたら のこされた足跡ごとに花が咲くにちがいないから 花のあわいに足跡を訊ねてゆけば 一年十二ヶ月 おれの心には とめどなく雪が降りつづくだろう。

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