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2012年12月

2012年12月30日 (日)

12月23日NHKEテレ「こころの時代~宗教・人生~『小さき者に導かれ』」 (2)

Photo 東海林さんは、韓国での救援活動を通し
彼地の民衆神学を知り、触発されていきます。

軍事政権時代、地下で回覧された1973年の「韓国キリスト者宣言」。
そこでは神の意志によるメシアの国は、貧しい人、虐げられた人の安らぐ場と捉えている。
そして「今こそメシアの国を来たらすため、歴史の変革に参与する」と結ばれる。
民衆神学における神とは
個人的な魂のみを清めるものではなく
社会の変革を呼び起こす神。
つまり韓国ではキリスト教は教会だけでなく
時代精神を作っていくのです。

韓国では「教会としての意味とは何か」と
「社会に対しどう責任があるか」という問いかけが
ぴったり一つになっている。

それに対し日本では「この世のことと教会のことがどこまでも交わらない」。
つまりは「信仰の方が大事」なのです。

しかしやはり
「信じていることは行動に現れねばならない」、
「自分が救われているならば、その救いは全ての人に向けられた救いと受け取るべき」
なのです。

キリスト教の根は民衆。聖書のいう「小さき者」。
この世では道具にしか思われていない者の側の視点から見ないと、結局人間の世界の真実は分からない──

東海林さんの聖書には
言葉の一つ一つにみずからの考えがびっしり書き込まれています。
画面に映し出された頁から聖書と共に生き続けてきた濃厚な時間が伺えますが、
私は何かとてもうらやましいなあと思いました。
まさに神の声として生きている言葉と共に生きていけるということ。
神の言葉と自分の言葉を絡ませて真実を模索する人生。
私自身がもとめてきた詩を読んだり書いたりすることを中心とする生き方も、
じつはそうした聖書を中心とした信仰生活と近いものがあるのではないか、と
ふと思ったりしました。

さて、2011年3月11日は
東海林さんに新たな問いを突きつけました。
80年代東海林さんもまた核を人間に対する挑戦と捉え
核時代を生きる宗教者の役割を議論していたそうです。
しかしこの現実の惨状を目の当たりにし、
「おまえは何をしてきたのか? 結局他人事ではなかったのか?」
という衝撃を与えられたのでした。

時代の中で、原発の現地で、苦しみを負わされてきた人々から
自分たちは見えないようにさせられてきた─
私たちは関係ありません、と生きられるように、電線の向こうをシャットダウンできるようにされている─
しかし今、共に生きる、ということから本気で出発するなら
私たちはどんなに豊かになるのか、考えて欲しい─

韓国での救援活動で数々の素晴らしい人間との出会いを思い起こして
東海林さんはそう訴えます。

例えば赤ん坊はどうか。
母親に頼り切りながら
その存在自体が完全なる人間存在ではないか─
子供は本当に信頼に生きていて、そのことで周囲を和ませる、まさに平和のシンボルとなっているではないか─

しかし現在の日本では
そんな純粋な人間の魂まで変えようと「暴力と欺瞞が進行中」なのです。

「人間はもうだめなのではないですか」という徐さんの言葉に
東海林さんは次のような事実で答えます。

1986年スイスで行われたWWC(世界教会協議会)で
韓国と朝鮮が初めて協議を行った。
双方の主張内容はずいぶん違っていたけれど
お互いが耳を傾けあった。
期せずして、それぞれの発題の中で引用した二つの聖句が、同じだった。
一つは「虹の契約」。

ノアの洪水の後で神が二度とこういうことをしない契約をした印が虹。
それは、
つらい雨やひでりに遭いながらそれでも滅ぼされず、生きることを許されている、
というつもりで生きていけ、という印だそうです。

そしてもう一つは、
エフェソ書のパウロの言葉「十字架によって隔ての壁を取り除く」。

この世では敵対する両国が
期せずして同じ二つのテクストを選び、それを通して対話を深めたという事実。
そのことに出席者は感動し
「交わりは可能」という確信をつかんだそうです。

そう、交わりは可能。私もそう思います。
どんな憎しみも乗り越えることはできるのです。
でなければ、なぜ人はここまでその生命をつなげてこれたのでしょうか?

キリスト教でいう「御国」はまだ来ていない─
しかし神の意志は働いている─
それが実際地に起こるようにという願いが祈りの中心にはある─
希望のないところで希望の種は蒔かれていくことにも目を留めていく─

番組のラストシーンでの東海林さんの祈りは
本当に感動的でした。
「私たちが、あなたの省みている人々に対し余りにも鈍感で過ごして来たように思います。どうかお許し下さい。」
「あなたの省みている人々」というのはもちろん「小さき人々」のことです。
「どうかお許し下さい」という
神へのとりなしの言葉は
私の意表をふいにつくものでした。
3.11以後、ある冷たさへと凍り付いていた自分の心が
ふと溶けたかのように
おのずと涙がこぼれていたのでした。

つまりそのように私にもまた
自分でも思いがけない苦しみがあったのではないでしょうか。
誰かに自分と人間全体の悪をとりなして貰いたかったのではないでしょうか。
それをいいうるのは自分ではなく
誰か他者なのでなければならなかった、のではないでしょうか。

その自分の一瞬の涙から、
キリストとは何か、が、内側から分かったような気がしたのでした。

2012年12月28日 (金)

12月23日NHKEテレ「こころの時代~宗教・人生~『小さき者に導かれ』」 (1)

12月23日にNHKEテレで放映されたKokoro
「こころの時代~宗教・人生~『小さき者に導かれ』」に感銘を受けました。

出演は、牧師・高麗博物館理事である東海林勤さん、きき手は徐京植さんです。

東海林勤さんは牧師として、
イエスが「小さき者」、つまり弱き者、虐げられた者と共にあったことを信念として
活動してきました。

東海林さんと徐さんは
1971年軍事独裁下の韓国で民主化運動に関わり国家保安法に基づいて逮捕された
徐さんの兄である俊植さん、勝さん兄弟の救援活動を通して出会いました。
当時早稲田大学の学生だった徐京植さんにとっては
東海林さんが立ち上がってくれたことは大きな支えになったそうです。

まだ日韓関係が不安定な状況の中で様々な困難に遭いながら
兄弟の支援のために韓国に渡った東海林さんは
大きな出会いを経験しました。
徐さんのオモニとの出会いです。
オモニは韓国の当局から、息子たちに転向を勧めろと言われていました。
しかしこう繰り返すことで拒んでいました。
「あれはあれで考えてやっていますから。無学な自分が何を言ってもきくような息子ではありません」と。
東海林さんは
このオモニの言葉には、息子に対する絶対的信頼と、その姿勢で生きていけという指示を見て取ったと言います。
そんなオモニに、東海林さんは
民衆の原像に初めて会ったような気がしたそうです。

しかしオモニは1980年、光州事件の年に病に倒れます。
「夜はまだまだ明けない」と言い残し。
東海林さんはオモニとの出会いを
「大きないただきもの」と表現しています。

人と出会うことは自分を変えられることであり、
人は感動に揺さぶられて生き始めるしかない─

そのような東海林さんの新しい人間認識は、
オモニとの出会いと、
そして二十年近い獄中においても人間的態度を失わなかった徐兄弟の
悲しみと戦いによって原点を与えられたのです。

他者によってその生と信仰を深められていった東海林さん。
その言葉は、「揺さぶられた」内的体験からつかまれたもので
誠実な声音と共に、私の心もまた揺さぶられました。
「ことがらが迫ってきて、反応させられた。これは何だ? という仕方で生きていくしかならなくなった。」
この言葉をきいて
自分にもそんな経験はあるなあ、とふいに思いったり。
とりわけ最近、朝鮮学校の生徒や関係者の人々の真摯な思いや言葉から
魂のまんなかで受け取った透明な波動のようなものが、それに当たるなあ、と。

その後、さらに自分を変えるいくつかの出会いが東海林さんにもたらされました。
キリスト教の学生寮の舎監を務めていた時に
かくまったベトナムからの兵役拒否兵。
そして1960年代後半、留学先のアメリカの神学校で
出会った同室の友人。
アメリカが支配する途上国に行き、社会活動をした経験から
自分の国を泣いて問う彼に揺さぶられたと言います。

虐げる側にいる満足したクリスチャンであってはならない。
虐げられる者の悲しみ、怒り、呻き、そして彼らが求めている絆。
かれらと共に生きることなしには生きられないような姿こそが、
イエスに従う者ではないか。
そうでない形で満足している教会とは何か?

そのように様々な出会いの過程において東海林さんは
みずからとキリスト教と社会の関係のあり方を
他者との出会いによるイエスの捉え直しという根源的な次元から
問い直していきました。

2012年12月27日 (木)

#連歌デモ4170~4200

※投稿規定はhttp://reliance.blog.eonet.jp/default/2012/07/post-9dcf.htmliを御覧下さい。

4170(4168「般若顔」へ返歌)幻の掴む煉瓦も筆に代え空に詠える連歌乙女ら

4171国連で原発事故の謝罪なしまさか終わった? 呆れられてる 

4172オスプレイ半減期はどの位? 叶うものなら明日明後日に 

4173既に2機壊れて飛べず修理待ち欠陥機ばかり振る舞うアメリカ 

4174野分のような 荒々しい風が 雷神風神の言葉代弁するかのごとく 突き抜けん 我らは人を疫病にさせぬ 死に至る疫病は人の作りし悪しきものと

4175やがてなき地球の命直さざる罪を見つめて深く想いに/愛の夢とわに続くといのちして喜び夢の儚き時に/感じるやいのちの響きとわからの愛の祈りに共にあなたと/未来していのちの謳歌今夢の明らかなりし信じる心

4176福島の海山川の精霊(カミガミ)よ美(うま)し地汚れて木枯らし荒(すさ)ぶ 

4177核爆発の恐怖に怯えたり我心休まらず/今日仕事中に寒気がしたりオスプレイの原発墜落を想像し/最近仕事中に短歌が思い浮かぶなり多くの歌集う事を願い(注:2012年10月3日の事)

4178(4177「核爆発」へ返歌) 眠れぬあの夜を思い出す 大地が空が哭く声聞きし夜 (注:3月15日深夜茨城南部は雨が降りました)

4179短歌詠む女子ら麗し楚々と立ついざ事あらば火の啖呵きる(注:短歌女子と啖呵乙女、なんかどうでしょうかね?)

4180紫陽花の浴衣を脱がせし我に君が悲しげに問う 核の傷跡残りし我抱けるかと子を持つこと怖くないかと

4181またしても「福島返せ」とコールする 「父を返せ子どもを返せ」

4182幻の如くに咲ける彼岸花 白き花びら君の魂

4183我を抱く君の手に手を重ね我夢を見ん 君と子を抱く夢 君とともに日々を歩みし夢

4184連歌デモ時は過ぐ留めることはできないが 忘れられないいのちの耀き

4185(4171「国連で」へ返歌)あのときの冷温停止という嘘に嘘を重ねた結果かな 野田の嘘は世界を駆け巡らんや

4186生きている喜び悲しみそのままに 抱きてる手を我ら求めて / しばしひとよ嘆きの中に沈んだら 再び立とう原発無き世に

4187野分のような荒々しさで我を抱く君に願う その激しさで我の傷を覆ってほしい その強い力で生きる力与えてほしいと.

4188 沢山の会話交わして今日もまた君といのちの花を咲かそう

【番外・煉瓦党宣言】① 無数の妖精達が、世界を徘徊している。「煉瓦乙女」の妖精達が。 すでに全世界の原発推進派とその工作員が、 妖精達を滅ぼすために同盟したが、 短歌と啖呵で心を固く武装した妖精達は、 勝利のために団結を打ち固めている。#連歌デモは、その統一戦線である。

4189我に抱けるかと問う君覆うように 口づけせんや 君の裸体に潜む核の傷すら打ち消すほど深く求めん 焔のような強き本能(さが)に身をまかせて.

【番外・煉瓦党宣言】②また、それに連なろうとする男達も、この #連歌デモ に続々と馳せ参じつつある。 この流れは、最早、公然たる歴史的事実として、「反核・反原発の人々」の中に存在する。 悪しき《圧制の絆》を打ち砕き、人と人との佳き《連帯》に変革せんがために、万国の歌人団結せよ!

4190近未来の悪夢の予感人住めず鳥も通わぬ秋津島なみ<反歌>滞在期間を30日減らす渡り鳥本能で知るかこの国の危機 (As for 30 days, the forthcoming period when a migratory bird is stay!)

4191僕はあなたを知りません どんな人だったのか写真でしか あなたは知らない人を守って波に呑まれたと聞きました 僕はそんなあなたの子として生まれました あなたは今どこにいますか 星になって笑っていますか そうであってほしいのです お父さん

4192何を観る訃報や病い多くして何を語らん何を知るやと/隠蔽も嘘も無きしや現実の未来の姿現れりしや/統計に数値ありし操作して声に高なる力を怖れ/愛語る嘘と真の現実の夢を果たすやいのちの祈り

4193荒れ狂う人為の脅威猛る中自然の驚異台風は小さく見えし* 異常気象に慣れ親しみて奇しき事々何時の間に全てを覆いて囲い込み* 言わぬ事かと甲状腺腫は子らを苛みチェルノブイリに例外無し* 真実の半分すらも伝わらぬTVのアナも面持ち沈痛*.

4194(4190「滞在期間」に返歌)鶴旅を終え湖に降り日本には長居無用と鳴き合いて*秋鳴く虫も息潜め迫り来る不穏の兆しに聞き耳立てり

4195雨にはしゃいだ 子どもの頃 濡れても飲んでも だいじょうぶだった もう はしゃげない子どもによりよい未来を そのために生きているのに

4196居待月待てど今宵の雲厚く空覆いたりせめて歌待つ(注:居待ちの夜の#連歌デモ。次も同じ。)

4197今宵また歌は通いて吾が心励まして往く核に負けじと

4198(4195「雨にはしゃいだ」に返歌)蛇の目でお迎え危ないな雨に歌えば被曝する無粋な時代になりにけり*野原消え川は濁りて遊び場の無き子供は更に家引き籠りて*

4199世界に友あれどいつなくなるかこのいのち 再会を夢みれど果たさぬままいのちおえる 心づもり

4200(4196「居待月」へ返歌)今黒雲に覆われど凍れる雲を溶かし去り現る月を待ち焦がれ

2012年12月20日 (木)

松村由利子「メディアとしての短歌を見直す」(『歌壇』1月号)

『歌壇』(本阿弥書店)1月号に、Kadan
歌人の松村由利子さんが、「#連歌デモ」についてのエッセイ
「メディアとしての短歌を見直す」を書いて下さいました。
これまで歌人の方からの反応は殆どなかったので、大変嬉しいです。
以下、一部引用させて頂きます。

「何か大きな出来事が起こったとき、人は感情を短歌という器に注ごうとする。いま、歌壇とは離れた場所で膨大な機会詠が詠まれている。『詠み人知らず』の歌が突きつけてくるものについて、改めて考えてみたい。」

「感情を吐露しただけの言葉、スローガン的なものも少なくない。恐らくは、ふだん歌を作らない人の作品が大半を占めていると思われる。しかし、歌を詠み、見知らぬ他者と思いを一つにすることで、何とか国の進む方向を変えたいという必死な気持ちがひしひしと伝わってくる。そこにある危機感や深い悲しみ、憤り、疑念は、同時代を生きる誰もが共有するものだ。」

「高度情報社会において短歌が今も人の心を引きつけるのは、まさに『古びないメディア』としての強さではないだろうか。『#連歌デモ』に集まった四千余首を読むとき、メディアとしての短歌に対する信頼度の高さを見る思いがする。自らの歌歴にとらわれたり技法に頼ったりすることなく『読み人知らず』という原点に戻るとき、短歌というメディアは他者とつながる場を復活させ、まだまだ新しい力を発揮するにちがいない。」

私たちの「#連歌デモ」から
歌壇へ一石を投じられた松村さんの勇気と炯眼に
感謝の念と拍手を贈りたい気持でいっぱいです!
みなさんもぜひ書店でお手に取って全文を読んでみて下さい。

2012年12月19日 (水)

#連歌デモ 4139~4169

※投稿規定はhttp://reliance.blog.eonet.jp/default/2012/07/post-9dcf.htmliを御覧下さい。

4139我妻なれば曳舟神社にて藁人形に DV夫よしひこの名をいれ五寸釘打たんや その前にグーパンチしたや水曜日の夜

4140(4079「絆という」へ返歌)絆という鎖で我らを繋ぐのかこの汚された 核の荒れ野に

4141我がことの薄さかろさにひしがれてしばしの惑い振り捨て詠めん

4142大気圏自然放射を遮りてうまれいずるぞ我がはらからは

4143天に唾放射能除染集めたる塵芥また我が身に降るか

4144(4124「今ここに」へ返歌)言の葉にさまざまな想い散りばめられしあまたの詩(うた)が 人々に愛と勇気と力を与えたまえ 温かき熱ある言葉 広がれ広がれ感謝の言葉とともに

4145福島の友を思へど我が坂道に重荷軋むせめての笑みを胸底に静めて

4146立待の月は雲間に輝かし民が歌々空に映して

4147(4128「官邸に」へ返歌)実際に投げつけるわけにはいかぬともせめて届けよデモの言霊

4148(4147「実際に」へ返歌)積み上げよ言葉の煉瓦歌にして積み上げよ胸に 積み上げよ地に

4149何時か私も其処に行く魂達の集う世界静かなる宴見守る星

4150(4149「何時か私も」へ返歌)我もまた空に集いつつ思うかな高き空より地の有様を

4151(4150「我もまた」へ返歌)人は皆大地に身体預けしもその魂は星界に在りて

4152魂達の集う虚空何時か私も其処に行く静かなる宴は永久に星々見守り

4153ハラッサー撃ちのめさんと立ち上がれ歌もたしなむ煉瓦女子らよ(注:わ〜っ思いついちゃったぁ××これツイートしたらほんとにおやすみなぬおぉっ☆彡)

4154指先に触れる黒土喉通る空気我に触れしもの何故襲い来る

4155(4152「魂達の」へ返歌) 星の王子さまの結末のように君も何処かの星で我らに笑み浮かべ見守らんや 無限に広がりし空に輝く星たちに物語託して

4156稔りたる秋の恵みを汚せしはそは誰なるや怨みは深し(注:私に部屋に、良い風が吹き込む季節になった。夏には風向きと建物の向きのせいで風が通らない。 茸も酒も、魚介類も、海の幸山の幸は汚されるばかり…。 何という秋なのだろう、去年この方は。)

4157君ならば あまたの人に力与えんや 詩に熱を込め情(こころ)を詠う歌人(うたびと)ゆえ.

4158三角のきらきら輝く波間には 月光優しく訪れる 鬣振り乱したライオンは 今は何処に眠るのか 全てのいのちと悲しみを今日も月は包むだろう

4159空見れば重々しき雲横たはる 我が心とぞリンクしてをる

4160人の命守る為にあるモニタリングポストの数値一年半後に公開の謎

4161(4160「人の命」へ返歌)1時間で年間許容量超える恐怖3月12日午後2時の事

4162日本国どこへ行くのか分からない野田はアメリカ・財界まかせ(注:野田クン、もっとしっかりしろよ。)

4163(4162「日本国」へ返歌) 野田首相しっかり者でなくていい お願いだから今すぐ辞めて

4164(4155「星の王子さま」へ返歌)#連歌デモ 我信ず死して人は星になりメルヘンでもロマンでもなく真実として* 霊体は星界に在り生きる内にも眠りては星の間に間を旅する魂* エジプトのファラオ伝説真実也故郷のオリオンとシリウスに帰りし霊魂

4165あなたに見せたかった卒業式 あなたに見せたかった結婚式 あなたに見せたかった初孫を 本当は見て欲しかった私のことを また遇う日まで沢山のあなたに伝えることを貯めてゆく

4166(4165「あなたに」へ返歌)最愛の家族失う悲しみは海より深く空より広く込み上げて胸掻き毟り* 子等の笑顔母は決して忘れられまい再び会える天での抱擁

4167福島の農民漁民立ち上がり狼煙を上げて一揆する今* 堪えたる怒りは此処に噴火せり優先順位を誤りし国* 海と土叫んでみても返る事無し国は与えよ新天地何としてでも

4168(4153「ハラッサー」へ返歌) 般若顔心奥に秘め あくまでもたおやかに詠む コレがホントの連歌女子力 (注:丑三つ時に詠める)

4169(4168へ返歌)微笑が呪いに変わる連歌女子藁人形も震え逃げ出し* たおやかの化粧の下に般若顔騙されるまじ敵にするまじ* 頼もしき悪政を討つ呪詛部隊女の情念矢になりて飛び

2012年12月15日 (土)

#連歌デモ4081~4138

※投稿規定はhttp://reliance.blog.eonet.jp/default/2012/07/post-9dcf.htmliを御覧下さい。

4081続きゆく地鳴り悲しみ今日もまた福島原発無事を願わん

4082幼らの「またねバイバイ」返事する また明日ねを毎日続けて

4083(4060「目をそらし」に返歌) 目を逸らし耳塞ぎたるひとびとも顔上げたくなる幸いよ来よ

4084(4061「風吹けど」に返歌) 風吹けば桶屋が本当に儲かるか 聞いて見たし経団連に

4085 (4065「朝鮮戦争」に返歌) 北といい南と名付けた後ろ楯 振り切りきれぬ国ぞ悲しき/ 分断の歴史を今も悲しめる 民人ありて今と重ねる

4086(4082幼らの「またね・・」に返歌)二十年否十年その先に我みえず 子らの「またねバイバイ」の声も聞こえずばどうしよう 許せ許せ

4087膿み出しや浄化と呼ぶには致命的日本は如何に良きへと変わるか

4088薄灰の巨大な繭に空包まれし眠る蚕が生まれる時待ち

4089(4086「二十年」に返歌) 国家百年の計今や望むべくもなし 尚より良き道を手探り進む

4090(4083「目を逸らし」に返歌)絶望を呪文の如くに念ずれば願い通りに絶望になり*艱難辛苦その中にでも幸福の風念ずれば春風の頬を撫でたり
4091のんびりと構える我らに時迫りしか時限爆弾カチカチと鳴り
4092(4090「絶望を呪文」に返歌) きらきらと陽光浴びて今まさに 暗き淵よりゴイサギ翔べる / 池の上枯れ木に佇むゴイサギは 絶望なのか静寂なのか

4093(4083「目を逸らし耳ふさぎたる」に返歌) あまりある 慈愛を込めて うずくまる 人々の肩 抱き慰めん

4094(4092「きらきらと」に返歌)失われし緑の田求め東京の 川の上を飛ぶ白き水鳥何を探して*浮世を知らぬ水鳥の無垢なる姿物想う如きに俯き

4095(4084「風吹けば桶屋」に返歌) 経済は 民の暮らしを 救うもの 経団連よ 人々に 感謝されるか 憎まれるのか 欲に目眩むと 笑われるなかれ

4096(4095「経済は」に返歌) 痙攣し断腸の思い連ねたり民悔しきを知れ経団連* 民の幸福目にかけず企業発展追いかけて推進派行く地獄道*

4097(4090「絶望を呪文の如く」に返歌)神々に 宣(の)り申し上げる 業(おこない)を 祈りとも言い 呪いとも言う / 誰に宣(の)る? 何を何時まで 誓うのか? 怨みを込めて? 恨みを越えて?

4098土に触れ風に吹かれる一身にこの喜びも今や悲しき
 
4099ガンジーやキリストの説く無抵抗黙すは禁の反原発には例外也

4100「絆」とは動物を繋ぐ綱の意味、動物として被曝させられ (注:きずな【絆・紲】①馬・犬・鷹など、動物をつなぎとめる綱。(広辞苑第六版))

4101死の灰の 舞い降る空に 死神のあやつる箱が 浮かんでいる世(注:別に安全じゃないから止めろといってる訳ではないのだ、原発もオスプレイも。)

4102白々しき世を白々と照らす太陽秋の空遠き雲の中

4103今想えばしょっちゅう鼻血を出してたね マグロがニュースになったあの頃/半減期の倍がたてばなくなるの? いや、半分のまた半分さ/半分になるまで三十年とか二万年とか もう考えたくない小さな頭で/ストロンとつけられしあだ名 大量にとりこみ中です水から空気から

4104潮巻く押さば押せやの押し問答海が守りし秋津の島に

4105二分の一 二万四千年 四分の一 四万八千年 八分の一 七万二千年 ん、いつになったら ブルトニウム なくなるの?

4106(長歌)流れても 消えはしないし 中からは 逃れていかない だからとて 無頼に走らず きっちりと 暮らし続ける 人々を見よ  (反歌)叫びこそ 押さえる日々の 不安にも 負けずに暮らす 人々に手を

4107(4065「朝鮮戦争」へ返歌)分断の歴史 その悲しみいつ終わる 民が流せし涙の数は那由多のごとく 心の痛みいつ終らんや 大国に翻弄され二つにされし民の痛みは
4108(「朝鮮戦争」へ返歌) 歌は国境軽やかに越えん 我知りたや 我に繋がる幼き少年が生まれた国を 形をかえ歌は流るる言葉奪われても 優しき音になり文字になりて そうして生き残らん 友よあなたの願いもまた

4109(4082「幼らの」へ返歌)またねその言葉 いつまでも覚えていたい あたしのなまえ りりか りりかと 大きな声で君が何度も教えたように

4110毒を避け3度の食に気を配り汚れし物を口にせず身体を守る日々過ぎて

4111どの国も銃や爆弾無いならば自国の民も守れぬか* 兵器など全て溶鉱炉入れ溶かしてしまえ平和の線路にしてしまえ* 何時何処で卒業式を行うか人類の野蛮殺人学校の

4112(4111「どの国も」へ返歌)国を守る その国とは一体 何だろう 民を苦しめる 国ならいらない

4113午後三時目覚めた太陽起き出して目も眩むほどに照らす一瞬

4114(4112「国を守る」ヘ返歌) 侍ならば脱藩で里を捨て諸国さ迷う素浪人*国民は脱国出来ずに国境も越えず*パスポート国籍貰い土地に住み税を納めて其れが国民* 国とは故郷帰る場所暖かき家族であるとは理想論

4115さざ波をたてて流るることば川沈黙守りし青き空の下

4116目を凝らしガイガー計を睨み入る都民の姿誰が以前に想像出来しか

4117森羅万象汚すな核で原発と軍隊無ければ天国に近き地球を

4118 3.11忘れ難き日に生まれし友もう二度と誕生日祝う気にならぬと言い

4119 (4118「3.11」に返歌)我が友は9.11が誕生日複雑な思ひと我にもらしぬ

4120野分け去り澱みし大気清まらず祓え清めと白きカモメが羽動かして

4121(4119「我が友は」に返歌)9.11狂言劇のシナリオ通りか 国民騙す犯罪者の国悪しき友* 忘れてならじ3.11悔悟の日と定めて国は黙祷捧げよ永遠に

4122(4118「3.11」ヘ返歌) 忘れられぬ日にあまたのいのち祝福され生まれけん そのいのちの意味我は投げかけん 汝が友よ君のいのちの意味もそこにあらんや

4123吹き抜ける 秋風見やる 福一は 去年(こぞ)の秋と 同じ廃墟  (注:
「1年も経ってんのに何やってんだよ」と、背に放射能をしょった秋風が呟いたかどうか・・・) 

4124今ここに 感謝の言葉 動かす力 もっと広まれ もっとみんなに 

4125生まれしに学びに夢の世界して愛に焦がれて想い離れて/想いにて愛に背いて何処向かう果ては破壊に私滅びて/連みいく絡む世界の利害にて貧しき想い愛を離れて/汚されて壊されてなお報復せず無限の愛は・・・・・・・

4126(4109「またねその言葉」へ返歌) 「にちようび うんどうかいなのさいごなの かけっこはやいよあおぐみなんだよ らいねんはぼくいちねんせい」 ランドセル背負う君に会いたい

4127(4107「分断の歴史」へ返歌) 彼の国に遺されいし人々も 魂は翔りて立ち戻りたる せめて信じよ那由多の如き果てなき未来に共に集わむ 蓮の臺

4128官邸にレンガを投げつけたき願望を#連歌デモにて慰めけるかな(注:禁断のだじゃれ歌。おまけ:煉瓦でも投げつけたしと連歌デモ(五七五))

4129(4128「官邸に」へ返歌) うざったい総理の顔に煉瓦打つ代わりに放て言の葉の矢を(注:なんちゃって(*´-`))

4130(4128「官邸に」へ返歌) レンガレンガ レンガをお呉れ いや欲しいのは 連歌デモのほう

4131(4130「レンガレンガ」へ返歌)煉瓦投げ積め空高く塔立てよ塗り込め偽善者赤き独房

4132 (4118「3.11」に返歌) 毎日が誰かの命日誕生日 産まれ来るも去る日も選べず / 11日民人こころに背負いけり 涙の数だけ前向く力に
4133(4128「官邸に」へ返歌)煉瓦でもどうして足りよう官邸は厚きベトンで石棺とせよ(注: 建材準備集合教唆罪w)

4134国連で原発事故の謝罪なしまさか終わった? 呆れられてる

4135(4124「今ここに」へ返歌)願わくば 我が亡き日にも 歌興れ 人の心に 火起こす歌が

4136(4132「11日民」へ返歌)壊れた未来予言され最終戦争生き伸びし生存者達腐海に潜み* 奇妙なり運命の日か此の黙示録世に現れり* 一千年後の日本の図水晶で見透かす様に語られて(注: 1984年3月11日風の谷のナウシカが公開された日に)

4137自らが汚したる地に住む子らの未来無視する東電幹部 

4138本当に安全ならばかくあるべし原発オスプレイすべて首都圏に

2012年12月10日 (月)

 #連歌デモ4041~4080

※投稿規定はhttp://reliance.blog.eonet.jp/default/2012/07/post-9dcf.htmliを御覧下さい。

4041核廃棄物が出る原発が文明の利器? ジュール・ベルヌもあの世で嘆く

4042人の歌広大無辺子を包め孤独を包め世界を包め 

4043僕をダーリンと呼ぶ 小さな恋人(愛娘)に平和な世の中残したい ささやかな願いだけど譲れないこと

【番外・感想】「連歌デモを知りました。政治家、官僚、学者、マスコミまで、言葉の根源を破壊している今、このデモは、言葉を守り、命をまもるたたかいですね。ありがとうございます。」

4044(4034「吹く風」に返歌) 新しき風に吹かれて今日もまた 新しき怒り胸に興るや

4045(4037「我が声よ」に返歌) 我が声よ我が悲しみよ地に降りて 共に夢見ん核のなき世に

4046那由多の星の如く 愛の詩(うた)あらんや 平和を願う君もまた 愛を詠む歌人なり

4047民を守らない政府 子を危険にさらす企業 さらに税金を絞り 何を為すのか 世界が見ている(注:五行歌)

4048(3043「きりきりと」へ返歌)カチカチと時計の針がすすみし今 命の期限近づかん 君よ子を逃せ 逃せられぬなら保養だけでも

4049畏れ敬う心 これを知る我ら この國の民として 守り続けたい 宝がある

【番外】最近ジョークかよと思うことばかり 食べて応援みんなで被曝 これが日本人の絆だとテレビが誉めそやしてる バカ言うな!福島傷つけてんのお前らだ 他人事みたいに絆と笑って言うなよ 汚染食品止めろ! 瓦礫焼くな! 言ってくれよ…子供犠牲にする前に.

4050民を守らない政府 子を危険にさらす企業 さらに税金を搾り 何を為すのか 世界が見ている(参加記念・平和五行歌)

4051過去に囚われ いまを見つめない いまの日本人に 明日はあるのかと いまの日本を憂う と5年前に詠んだのに 言いたいことが変わらない.

4052平和の願い空しく 繰り返される 憎悪の歴史 諦めてはならない 人智の力を 遠く中東を想い詠んだ歌 いまは郷土日本を想って詠む.

4053(3850「一滴の涙集めて淵となし河と集いて悲しきは海」に返歌)一滴の鮭のぼり来る川に姿なく 定置網にはマンボが踊る悲しみの海は今日も荒れてる

4054テレビにて持て囃している子の笑顔 何のためなの誰のためなの 子どもの笑顔が曇らぬようにどうか涙を流さぬように 天にも地にも願います

4055(3043「きりきりと」に返歌)校庭の歓声天空に響くは虚構のなかの空耳か この子らの行く手を塞ぐは断じて許さじ 

4056自滅道核使用放射能拡散切命自然星宇宙滅/愛謳う生きる喜び育みの優しき想い愛へと喚びて/人は愛いのちの祈り舞う夢の無限の愛は全てを還す/科学して倫理の中に浮き上げる何方が嘘かと論理にあらざる

4057十六夜の月輝きて今宵また歌寄り来たりさざめくを聴く

4058(4035「帰り人なくとも」へ返歌) 人のなき 里にも咲けよ 山桜 百年先の 孫らのために 

4059文字の価値 地に落とされても 絆とは 糸の半分 あなたとわたし #連歌デモ 顔知らぬ 声も聞けない あなたでも 消息不明に こころざわめく (SNS友達に・・・).

4060 (4044「新しき風に吹かれて」へ返歌) 目をそらし 耳ふさぎたる人々が 声あげるまで 風よ吹け吹け 

4061(4060へ返歌)風吹けど 知らぬ存ぜぬ ばっくれる やつらにみせん 民のいきごみ

4062私もまた海の彼方に声を投じる核戦争阻止の思いをこめて」(注:韓国大統領選挙に向けて。米軍の北朝鮮攻撃で第二次朝鮮戦争が開始されれば、劣化ウラン弾使用と韓国で稼働中の 21基の原発が次々破壊され、死の灰が朝鮮半島全土 と日本に降り注いでしまう)

4063海にもまた彷徨う原発あり放射能漏洩の危険性抱きつつ(注:原子力空母と原子力潜水艦) 

4064核持たば他国の開発非難すべからず米英仏露中よ

4065『#連歌デモ』が朝鮮戦争終結の力にもならんことをわれは願えり 

4066なんやかや嗤いさざめく世の習い背に受け流し「母」をつとめる(注:人知れず苦悩しているお母さん達へエール) 

4067天頂に鋭く冴えし白光が射る十六夜の月下界睨みて/炙り出す月の光が魂を下界を離れ天の屋根裏

4068(4062「私もまた」へ返歌) 大統領 核を国民の争いに遣うことなかれ この国の歴史見よ 我ら核の惨禍に今あらん 同胞に同じ荷を背負わすな 民族相殺の歴史味あわすなかれ

4069(4062「私もまた」へ返歌) 東洋のイスラエルと呼ばれし国の分断の歴史繰り返すなかれ 隣人を愛せと主の御言葉を守りて平和の礎石になりし人たちがありし国ぞ 手が血にまみれるなかれ 子らを苦しませるなかれ 核の惨禍や戦火で

4070(4062「私もまた」へ返歌) 朝焼けの色鮮やかな国の平和祈らん 文字忘れ言葉忘れふるさと知らぬ我なれど あまたの人らの笑顔がありしこと 喜びがあることを我は知る 故に核の惨禍に遭わせてはならぬや 遺伝子すら壊す惨禍に

4071月のひかりに 裸体見られるような気がして 目をつむらん 彼の温かき体液だけが我を知る夜

4072(3706「新聞を」に返歌)青空に血まみれにした「約束」の異形の翼オスプレイ飛来す

4073夜の静寂 カグヤムに似た音 君とかき鳴らす夜は 喜びに満ちて 新しき音の流れ また探さんや

【番外・感想】#連歌デモ 、今はじめて知ったけど、良いなと思った。廃炉と叫ぶのも良いけど、詩は胸にくるし、色々想像して考えさせられる。私もうまくよめたらいいな。

4074絆という名の軛(くびき)を外せ羊たち太った羊より痩せた狼になれ(注:昨日のTLに流れてきた話題より。ソクラテスもいいですが、毒杯を仰ぐより狼に!)

4075新しき道 歩む君に 優しきひかり温かき声つねにあれ 希望の道を作りし人よ 君の足跡があまたの人の道とならん


4076ふるさとを守る町長を切望す原発熱望の大間の町に<反歌>対岸の30キロ圏の函館市は中止求めて提訴するとぞ

4077(4076へ返歌) 大間の町に 強き風よ吹け 空と海あるふるさとにいったい何を望まんや 足元にある大地は汝らが宝なり 海もまた同じなり

4078(4066「なんやかや」へ返歌) あれ見よと指されて嬉し後ろ指 我も子守り荒ぶる時あり / 母なりと言うは簡単だがしかし 母に合格点は子しか与ええず

4079その子二十歳 嵐をこえて 咲きにおう 花の顔(かんばせ) 2031(にい・まる・さん・いち).

4080静寂と言うは無音ではなくて 鳥の囀り子の泣き声の中にある

2012年12月 7日 (金)

12月3日付京都新聞文化欄/詩歌の本棚(新刊評)

 今年は石川啄木の没後百年。短歌では多くの特集が組まれたが、現代詩では余り話題とならなかった。だが天才歌人は、十九才で処女詩集『あこがれ』を刊行した詩人でもある。この詩集の詩が書かれたのは、与謝野晶子に憧れ上京しながらも、病のために帰郷し、病床で挫折感から立ち直ろうとしていたさなかだ。蒲原有明等に影響を受けた象徴詩だが、決して古めかしくない。文語詩の新たな韻律も試みられ、「まことの我」の生きる宗教的で華麗な世界が展開する。啄木はこれらの詩を「朝から晩まで何とも知れぬ物にあこがれてゐる心持」で書いた。「まことの我」が生きる「まことの世界」へのあこがれ。だが百年後の今も、それは、詩人を詩へと突き動かす新鮮な原動力ではないか。
 
 齋藤恵美子『集光点』(思潮社)にあるのも、人間の原郷への静かで陰翳深い「あこがれ」である。この詩集の主体は、異郷を旅する「私」、正確には日本語から離れ、むき出しの音やリズムへ晒される聴覚である。それは「記憶もないのに」「淡い郷愁を感じ」る風景に、詩の発生を聴き取る。言語が原初のざわめきに還る異国で、「私は、『まだ始まっていない』」という「淋しいのか/懐かしいのか」分からない「あこがれ」に駆られ、人と世界、人と人の関係が「びっしょりと濡れて」いた「起源」へと向かうのだ。
「セグロカモメが/薄墨色の空へ 弧線を描きながら/遠目には たった一つの/光に見える窓をよぎり/私の知らない郷愁を伴なった 小さな惑乱を/連れてくるのを 眺めていた//私はどこか よその土地に移りそこねた者として ここに居る/あるいはすでに/遠い過去にどこからか移り終え/母国語の音へ 密かに/耳をひらく者として//年取って、住むとこなくて、独りだったら家に来なよ/透き通った日本語が 聴かれて/風景が濡れてくる」(「フェイジョアーダ」)

 田中昌雄『ユウ』(編集工房ノア)にあるのは、人類の歴史の終わりに立つ「ぼくら」あるいは「わたし」という仮構の主体の、宇宙的原初への「あこがれ」。3.11以前も主体は絶望に喘いでいた。「わたしは引込み線をかしぎながら/活性酸素のあぶく吐き出し、(もっと光を!)/明けない白夜を再生させたい!/「ほら、はるか銀河のかなたから、D51が還ってくるよ」/「太陽に、六度目の臍帯血を!」(「(もっと光を!)」)だが原初がむき出された3.11後、「あこがれ」は「鬱状態」の重圧に試されている。「そして、四方八方、原初をすべる巨大大陸((パンゲア!))のかけらが押し寄せて/数十億のたぎる異人(まれびと)を乗せたまま、わたしたちの島曲(しまわ)になだれ込みます/(海にあぶれたわたしたちの瓦礫(ジヤンク)と引き換えに…)//自転を狂わせたわたしたちのなりわいは/いま、内からも外からも、統御できないカタストロフを吸い集め、/わたしたちは鬱(ビジー)状態です」(「秋の断簡」)
 
 江口節『オルガン』(編集工房ノア)は、次男の突然の死が「わたしの裡(うち)に居場所を得て/夢のかたちを生き」始める迄の、魂の軌跡である。詩集前半は個人的な喪失感を痛切にうたうレクイエムだが、3.11後に書かれた後半では、喪失感が、全死者と共に生きたいという共生への「あこがれ」へ、感動的に転調していく。
「ダーヴァール/ふたたびの春/地を鎮め海を向き 花はどれほど咲いているか/あのひとの瞳に 咲いた花は映っているか//ダーヴァール/あなたたちの春をみつめる/よこたわる骸は どうか/生者の背を支えていますように」(「ダーヴァール」)

2012年12月 5日 (水)

#連歌デモ 3890~4040

※投稿規定はhttp://reliance.blog.eonet.jp/default/2012/07/post-9dcf.htmliを御覧下さい。

3891人々が清けく暮らす国創りする勢力に原発ありしか

3892原発を完全に操れる君なれば全て託そう人の未来を

3893想定外あった想定否定した政府や学者今何語る

3894良心を何処に捨てたか推進派凍れる海に潜りて探せ己の魂

3895核載せて地獄の果てへまっしぐら一蓮托生の暴走列車 / 「停止せよ」言葉は儚く宙に舞う運転席には人外の者か / 核載せた暴走列車止めるには運転する者すげ替えよ今

3896(3895へ返歌) テロリストと一緒に飛行機に乗ってるような今日この頃 改憲そんなことよりテロリストたちを止めてくれ 戦争なんか惨めなもんだぜ 言葉だけカッコよく聞こえるだけさ 過去の歴史をみれば民草が呻いている  

3897(牧水「白鳥は悲しからずや海の青空の青にも染まず漂ふ」に寄せて) 磨かれし無垢なる誠携えて白絹の朝靄の中鳥発てり

3898(3893「想定外」へ返歌) 想定外と言い訳をし政府や学者謝ることすらできぬ無能な輩か いや違う今民にやりしこと口裏合わせの人体実験なり

3989沖縄の暴力装置人を打つ赤き閃光回るその下

3990制服に魂殺し沖縄の暴力装置沖縄を打つ

3991(3884「暗き墓標」に返歌) じわじわと健やかな心蝕みぬ死神の粒が無数に舞う中 

3992 幼き乙女の清き体汚せしは沖縄の基地にいる米兵なり 忘れようにも忘れられぬ基地ありし悲劇ゆえ 口にすらだせば悲しくなりて言葉すら喪うから.

3993戦争の罠突き落とし利用する計算ずくの作為の大国* 当事者に成らず漁夫の利狙いたる戦争ビジネス操る黒幕* 落とし穴嵌まるな抜け出せ何としても操り人形口開け* 砦守りしうちなんちゅう抗う事に意義が有りなむ誇り示して* 南で生まれ西から上る台風よ風の墓場に穢れ捨て去れ.

3994せめて己の良心は心の何処かに隠し持て 政治家や世論が戦争を急かし始めん今

3995(3994「せめて己の」に返歌) 土埃足踏み鳴らす兵の隊列進みし蜃気楼の街* 核文明を神と崇めし教団の御本尊様瓢箪原子炉* 勇み足早く戦を始めんと血に飢えし獣手ぐすね引き待ち* 狂気燃ゆ劫火噴き上げ炎の渦中を生きて潜り抜け* 言霊の国は軍隊を英雄美化せず

3996沖縄のゲートの前の荒れるころ明日の寡婦が眠るアメリカ

3997沖縄のゲートの前の荒れるころぬくきベッドに眠るマスコミ

3998(3991「じわじわと」へ返歌)大気に巣食う魔の粒子天敵あらば善玉菌に返り討ち受けよ

3999日本列島謳いしうたは全て島唄広く世界に届けてたもれ我等の心

4000琉球の竜宮の御霊言向け和せよ敵の心も* おばあから伝え聞きたる戦争の悲惨守れ若人鋼の強さで* にらいかない水平線の向こう側争い知らぬ希望の楽園皆を待ち* 御嶽で祈るユタ達の二度と過ち繰り返せぬと安らに暮らす平和の願い* 日差す中鮮やか赤き仏桑花強く咲きたり固き決意で

4001エリートと褒めそやせられし学者らの愉快な傀儡(くぐつ)/憐れな傀儡(くぐつ)操るは誰(た)ぞ外(と)つ国の魔ぞ

4002十五夜の光を隠す野分さへいま去らんとす去らぬものあり

4003(3990「制服に」へ返歌)強ばりし制服と仮面の下に血潮脈する心ありしか* 国の飼う番犬仕事する時は無駄吠えをするに御仕着せが要り

4004 (3887「長き夜を」に返歌)長き世を 開き続ける 桜花 奇形に怯(ひる)むこともなく 乱調の美を 咲き乱れ 倒れた花の 上に立ち上り 見事なる花 いざや咲かせん

4005(3888「肥沃の地」へ返歌) 秋津島(あきつ)には 神に捧げる 大麻あり 穢れを祓う 放射線すら かくの如き 尊き草を 我らより むしり取りたるは誰(た)ぞ その命 むしり取りてやろうか 

4006(3889「シャボン玉吹ける時は」に返歌) 美しく 儚き玉に 吹きこむは 息吹(いぶき)なりけり 我が魂の どうか 天まで届け 神へと届け 

4007(4004「長き世を」へ返歌) 長き世を軽く超え 癒しの時待ちわびて 必ず咲かせんや春告げしあの山桜

4008(3998「大気に巣食う」へ返歌)死の粒よせめて汝の正体明かせ種族と魔性と眷属の数を

4008 (4007「長き世を軽く超え」に返歌) 願わくば 花の下にて 春逢わん おぞましき病(やまい) 皆で乗り越え 幾年(いくとせ)過ぎても 必ずや 笑みてぞ逢わん 

4009(4005「秋津島」へ返歌)草々と絆断たれし民の心は鎮め慰む術も失くして* シャーマンの夢の中に見し幻に自然の摂理現れしもの* 限られし生きる時間に霊的世界失へば求めるは唯物質文明

4010闇の夜澱がはらはら沈み行く水底深く呼ぶもの有りて

4011もう少し生きてゐても良いのかと尋ねてみたきこのゆふべかも

4012満月を黒雲隠し銀光放つ半分の月宙に浮き

4013(4009「草々と絆断たれし」へ返歌) 「絆」という 良心傷める言霊を 四十億で言いふらし 民の心を分断し 原発にくびき繋げつつ 偽善の商売「絆」で為し 「絆」の陰で責任逃れ 名も無き民草は 彼らを決して許さず 

4014(4009「シャーマンの夢の中」へ返歌) 夢時間(ドリ-ムタイム) 命を懸けて 旅をせし 巫覡(ふげき)の言葉(ことのは) いかで打ち捨てん 

4015(4009「限られし生きる時間」へ返歌) 我ら皆 “大いなる者”の 永久(とこしえ)の 眠りの中の 刹那の夢ぞ だからこそ この人生を 愛しく生きん 踏みにじらせまい 

4016砕け散る心もあらむや暗闇に物問ひ掛けしこの寂しさは

4017ひそみゐし心の底の闇の鬼見えざるが良し表に出ずるな

4018ひそみゐし鬼引き出すは容易くて涙の中ににたりと嗤ふ

4019かみほとけ無しと思へど空はあり海あり山あり太陽や月や星あり大地あり樹々あり人よどの面をさげてぞきつと真向かひてお天道様に見つめられ生き行くことぞ易しからずも

4020憎しみの欠片心に兆せしは鬼となりたる証にてあり

4021(4019「かみほとけ」へ返歌) かみほとけ信じずとも一枚の葉にさえいのち宿りしこと感じんや そのいのちの意味知れば生かされしいのちという意味知らん 直ぐな気持ちで生きるは難しくとも倫(みち)を知らんや

4021(4020「憎しみの欠片」へ返歌) 憎しみが心の底に澱みても 鬼になるよりは詩を選ばん 詩を詠みて心ととのはせ息ととのはす 悲しみと怒りをこめ詩を書くために
4022誰知らん全てのいのち光りして愛なる祈り包み包まれ/誰も知る月光りに癒されて淡く煌めく愛抱かれて/無限より限りのいのち光りして夢幻の舞いの等しく愛の/限りなく貴き夢の現しにとわの木霊に時を敷いて

4023何時の間に暦捲られ神無月秋頂きに向かいて登り* 港を後に出航した船2012号目まぐるしくも一年巡りて* 野分け過ぎ揺れるすすきの野原さえ無き東京の殺風景* 薄青き雲一つ無き空見上げども快晴と呼べぬ心許なき* 秋晴れて心の曇りと裏腹に朝鳥の一羽も鳴かず静まりて

4024先行きの見えぬ不安に占いの本読み耽る君* 肚を決め覚悟を決めてこの島と死ぬも生きるも同じ船乗り* 逃げ出すのなら今の内国捨てて彷徨うジプシー大陸浪人* 外国の闇の市場で売られたる日本国籍パスポート今の日本に憧れるのか* 空港に新天地求む人々の脱出の列に並ぶ日が来る

4025原発こそ日本の大王哀しくも主権在米の象徴なり

4026アメリカの囲われ妾日本国旦那様とは運命共にし* 敗戦国隷属意識無かれどもスタバもマックもアメリカ文化* アメリカ映画のドンパチ殺人銃弾ばら撒き劣化ウランも間に合わぬ筈浪費癖* 殺人を美化正当化洗脳し殺す快感刷り込んで*戦争のヒーローにならぬか君もと 連合軍は勧誘し

4027笑いつつ基地の中より米兵がオスプレイ反対の市民見ており

4028(4027「笑いつつ」へ返歌)民主党政府のもとに日本の警察が市民を打つ米兵の前

4029 (4011「もう少し」へ返歌) もう少し生きてみろと誰が言う目覚めの月か我が細胞か

4030(4006「美しく儚き玉に」へ返歌)今日もまた新しき息吹き吹き込まれ今日のひと日を生きる縁に

4031(4007「あの山桜」へ返歌) ひとの夢見るや知るや山桜 見ざるひとなき山にひた咲く

4032狭き島イギリス後に200年新参国が素早く出世し* 先住民追い出し略奪広い土地ゴールドラッシュと金を貪る* アフリカの民を蹂躙優越主義奴隷解放しなければKKKの総本山* 連邦銀行詐欺集団思うさま紙幣を刷りて笑い止まらぬ* 二千年縄文含み一万年超す練り上げられし日本の文化

4033アメリカ建国侵略の歴史奪う事しか知らぬ民達品性下劣* アメリカンドリームと何を夢見る他人に跨り*この地球全ての褒美はドル紙幣至極便利な万能なりし交換券*貨幣とは紙一枚の誘惑也金本位制の詭弁を疑う* フリーメーソン北米支店祝開店願う閉店*歴史ある日本と比較にならぬ新参国.

4034(4030「今日もまた」へ返歌)吹く風に過ぎ行く雲に何一つ昨日と同じ形無し新しき今を感じて

4035(4031「ひとの夢」へ返歌) 帰り人 なくともひたすらに咲き続けん 山桜 友らの末裔(すえ)が帰りを信じ花をつけんや

4035(4011「もう少し」へ返歌) 生きてよゐのだと君にただ伝えたし 生きて生きてと亡き人たちのたまゆらが虫の声になりて歌いたまうや黄昏時に

4036軍拡に税を投じるアメリカ政府に怒りを覚える国民も居り* マイケルムーア狼煙上げ自国の不条理暴き知らしめ革命煽り* アメリカがと国で括りし偏見に反省の余地有り改めし我* 国籍を超える平和の共同戦線それが必要* 肥大した殺人兵器の倉庫を封鎖し平和なるホームセンター増築せよ

4037(4031「ひとの夢見るや」へ返歌)我が声よ 山桜のごと 咲き誇れ 山深く 人知れずとも 訪ね来(く)人に 薫りつつ散れ

4038復讐に復讐重ねる戦争の業刷新せずに世界は変わらぬ* 攻撃怖れ防御する自らの攻撃心の全ては鏡と気付かずに* 疑いて憎しみ増せば疑心暗鬼の輪廻の環如何にして何処で断ち切る* 全ての兵を僧にして武器を仏具に替えば平和に* 祈り合い拝み合いて相手の幸福奉仕するそんな戦い大歓迎

4039オスプレイ鳥の名なれど医学ではオスは骨にて(注:骸骨ダンス。医学用語でオス(Os)は骨、Playは、遊ぶ、踊る。)

4040行く雲に流れる水に新たなる息吹き戴き我れ歩むらん

2012年12月 2日 (日)

『#連歌デモ』が絵になりました!

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『#連歌デモ』第一巻を読んで読者の方が素敵な絵を描いて下さいました。

絵のタイトルは、                「原発NO!─3.11を忘れない」。作者は京都市に住む落合峯子さん(日本美術会所属)。

この絵は、10月23日から28日迄京都市美術館別館で開催された「新美2012企画展」に展示されました。

10月のある日
「出品制作中に『#連歌デモ』を読んで絵を描きました」と
とつぜん案内のはがきを頂きましたので、足を運びました。
落合さんご本人にもお会いし色々お話を伺いました。

落合さんは美術教師。
故郷は岩手県宮古市。
3.11後、ずっと故郷の被災の風景を描いていらっしゃいます。
一般展示スペースには何もなくなった瓦礫の故郷の再生を願い描かれた作品が
そして今年設けられた反原発のコーナーには、この絵が掲げられました。

絵はオイルパステルのスクラッチという技法で描かれています。
絵の上部には左から『#連歌デモ』の第1000首を始めとする歌が並んでいます。
スペースの関係があり
落合さんがとりわけ感銘を受けた歌を選んだそうです。
絵の下の部分は、小出裕章さんの言葉など、他の言葉が描かれています。

なぜ絵に言葉を書き入れたか。

3.11後、聞こえてきた様々な言葉が落合さんの心を揺さぶり続けました。
その言葉をあらためて自分に言い聞かせるために
絵に描き込んだのだそうです。

ちょうど出品の構想が練られている時に
落合さんは新聞で『#連歌デモ』のことを知り、購入して下さったそうです。
その後の制作は
『#連歌デモ』を読みながら進められました。
その結果絵の上部には数十の歌がスタンディングすることになりました。

匿名のうたびとの歌が画家の心を揺さぶり、
美しいビジュアルの世界へと立ち上がったというわけです。
言葉と人との、そして言葉と絵との
とても不思議で素敵な出会い──
それを実現させたのは、
反原発という人間の根源的な思いです。
お互いが深まりながら、お互いを求めていたのですね。

(なお、立命館大学の国際平和ミュージアムの二階に掲げられている鳩の絵も、イラク戦争反対をこめた落合さんの絵だそうです。)

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